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「東アジア地域包括的経済連携」(RCEP) が ASEAN の輸出入者にとって持つ意味とは

「東アジア地域包括的経済連携」(Regional Comprehensive Economic Partnership: RCEP) が ASEAN の輸出入者にとってどのような意味を持つのか、DHL Express の東南アジア・南アジア地区通関・規制担当副社長の Raymond Yee が解説します。
2021 年 2月 17 日 •

Eコマースは RCEP の対象でしょうか?

この RCEP のセクションの 1 つでは、相当なレベルの商取引がデジタル空間で行われていることが認識されています。RCEP では、個人データ保護、消費者保護、コンピュータ設備の設置場所に関する規則、国境を越えたデータの流れ、電子的な認証や署名の有効化など、この分野に資する法的枠組みの構築を求めています。

この一部には議論の余地がある分野もあり、この種の約束は世界で初めてのものです。比較のために、欧州連合(EU)に目を向けて見ると、EU では近年、加盟国間の国境を越えたデータの流れに関するルールについて交渉が重ねられてきましたが、ほとんど進展はありませんでした。

しかし、この RCEP では、デジタル空間で行われる商取引への課税をどのように扱うかについては言及されていません。一部の国では、デジタル空間で販売されるサービスや商品に一方的に税金を課しています。

E-commerce RCEP trade deal

また、アジア太平洋地域の一部では、‘デ・ミニミス(非課税基準額)’の貨物に対して国境で税金を課し、徴収することが議論されています。

これは、徴収できる税収が不当に低いにもかかわらず、貿易処理にかかるコストを大幅に増加させることになります。このようなことをすれば、成長の可能性を秘めた、発展途上段階にある電子商取引分野に悪影響を及ぼすだけになるでしょう。

RCEP は ASEAN の製造業者や荷主にどのような影響を与えるのでしょうか?

製造業者や荷主の方々にとっては今こそ、この RCEP が自社の事業オペレーションにどのような影響を与えるかについて、計画立案を始める時です。サプライチェーンの再構築は一夜にして可能になるものではなく、ある程度の時間と先見性が必要です。

事業の利益につながるよう、いかなる再構築の実現も、この RCEP による関税引き下げと並行して計画される必要があるでしょう。

中長期的に、この RCEP は世界および地域の貿易コミットメントを継続する場となります。RCEP の交渉担当者は、RCEP は「生きている協定」であり、現在の傾向や新たな傾向を考慮して進化させることができる協定だと自賛しています。

この協定は、地域の経済環境が引き続き企業の繁栄を助長し、世界有数のグローバル貿易のファシリテーターである DHL においても「人と人をつなぎ、生活の向上に寄与する」という目標を達成し続けるために重要な公約となります。