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エコフレンドリーなロジスティクスのために、コントロールタワーが果たす役割

カーボンフットプリントの削減とリソースの最適な配分が、コントロールタワーに求められる次の大きな課題となっています。
カーボンフットプリントの削減とリソースの最適な配分が、コントロールタワーに求められる次の大きな課題となっています。
2024 年 2月 02 日 •

ドバイで最近閉幕した国連気候変動会議で、世界の指導者たちは化石燃料からの脱却を含めた排出量削減に向けた誓約を交わしました。世界が平均気温上昇という頻繁かつ深刻な異常気象に直面する中で、ネットゼロエミッションに向けた取り組みが強化されています。

持続可能性が企業にとっての最優先課題となる中、サプライチェーンは気候変動に対処する重要な鍵となります。アクセンチュアのレポート によりますと、温室効果ガス排出量の60%をサプライチェーンからの排出が占めています。 

環境対策への期待が高まるにつれ、持続可能な取り組みをのために、サプライチェーン全体の透明性を高める必要があります。ロジスティクスにおけるコントロールタワーは、サプライチェーンにおけるサステナビリティを推進する主要な役割として浮上しています。

データに基づいた俯瞰

物流の管制塔ともいえるコントロールタワーは、サプライ チェーン全体をエンドツーエンドで監視する集中ハブです。

リアルタイムのデータ分析を活用するコントロールタワーは、調達から最終配送までのサプライ チェーン プロセス全体を俯瞰します。これは、企業がルートを最適化し、需要を予測し、顧客エクスペリエンスを向上させる上で必要な可視性に大いに役立ちます。

GPS によるリアルタイムのデータ収集、交通状況の監視、さらには天気予報などにより、企業はより効率的なルートを計画し、移動全体での燃料効率を促進できます。

Control towers allow 4PLs to help companies optimize transport route arrangements, clearing up resources for implementing other green measures such as sustainable fuels and opting for electric vehicles.
4PLによるコントロールタワーにより、企業は輸送ルートの手配を最適化し、持続可能な燃料や電気自動車の選択などの他の環境対策の実施のためのリソースを活用できるようになります。

人工知能 (AI) とモノのインターネット (IoT) の台頭により、コントロールタワーはサプライ チェーンを監視する重要なツールになりつつあります。

AI アルゴリズムは膨大な量のデータを分析して、最適化の機会を特定し、AI アプリケーションのイノベーションへの取り組みを推進します。RFID(無線周波数識別)タグや GPS センサーなどの IoT デバイスも、製造から流通までのステータスに関するリアルタイム情報を提供することで企業に付加価値をもたらし、無駄を最小限に抑え、より多くの情報に基づいたサステナブルな意思決定を行うことを可能にします。

多くの企業が AI ツール キット、つまりエンタープライズ リソース プランニング (ERP) および顧客関係管理 (CRM) システムに統合できるソフトウェア コンポーネントの開発を開始しています。

例えばペプシ社では、消費者の傾向を追跡して将来の需要を予測するのに役立つ 予測分析ツール Pepvizを開発しました。これによりペプシ社はサプライチェーンのプロセスを調整し、無駄を抑え、より持続可能なビジネス運営をすることができるようになりました。

トラック、トレース、コントロール 

企業がグリーン化で直面する課題のひとつは、データ不足です。たとえば、スコープ 3 の排出量は、企業が管理していない第三者の活動の結果であるため、追跡が困難です。どこを削減する必要があるのか​​が分からなければ、企業は排出量を削減することはできません。

ここでコントロールタワーの出番です。サステナビリティの指標をコントロールタワーのダッシュボードに統合し、貨物単位あたりの二酸化炭素排出量、エネルギー消費量、燃料効率が表示させます。これによりコントロールタワーは炭素排出データを監視し、報告することができます。そうすることで、企業は排出量を追跡できるようになり、排出量削減目標を達成のためにアジャストできるようになります。

消費財の大手ユニリーバは、輸送船舶の排出量を監視するコントロールタワーの運用を導入しました。これは2020年と比較して2029年までに船舶の排出量を40%削減することを目標としており、2039年までにネットゼロの達成を目指しています。

グリーンネットワークの拡大

気候変動に関して重要な教訓が ひとつあるとすれば、それは、戦いに勝つには力を合わせた協力が必要だということです。

企業は、自社の業務をグリーン化するだけでなく、二酸化炭素排出量の効果的な削減を真に可能にするために、取引先のビジネスも考慮する必要があります。これには部品の製造から物流まで、サプライ チェーンのさまざまな段階が含まれます。企業はコントロールタワーを通じて、サプライチェーンの実践に基づいてサプライヤーを評価することができます。

コミュニケーションが強化され、メーカー、サプライヤー、物流企業間の調整が容易になり、よりグリーンで相互に結びついたネットワークが構築されます。

As the Lead Logistics Partner, DHL Supply Chain looks after the end-to-end operations of the supply chain, from order planning, supplier management, load planning, carrier management, booking, and event updates to track-and-trace.
DHL サプライ チェーンは、リード ロジスティクスプロバイダー(LLP)として、注文計画、サプライヤー管理、積載計画、物流管理、ブッキングから追跡まで、サプライ チェーンのエンドツーエンドの業務を行うことができます。

例えばDHL は、鉄道から航空まで、あらゆる交通手段で環境に優しい配送オプションを提供することができます。DHLでは、二酸化炭素排出量の削減を目指すお客様に向け、二酸化炭素レポートと分析を含むコントロールタワー ソリューションも提供しています。

ネットゼロの世界に向けて、固い決意で移行を進めていくためには、今、行動することが必要です。知識、データ、そして可視性が求められるロジスティクスにおいて、コントロールタワーはの重要性は今後ますます高まっていくでしょう。